お客様いらっしゃ〜い

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 女優風(?)ボリュームワンピースのご注文です。

 朝晩の気候は日増しに秋めいてきたこの頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ファッション関連の雑誌を始め街中がすっかり秋の装いに衣替えしているこの時期は、皆さんのお買い物心もヒートアップしているのではないでしょうか?

さて、そんな秋のお洒落への関心が一気に高まるこの時期。
しかも今回が秋冬物でのご紹介の第1回目ということで、「今回はどんなご注文を取り上げてみようかな〜」と悩んでいたところ、ちょうど今シーズンのトレンドにピッタリなご注文をお受けしていることにピンとひらめきました。
「よしっ!今回はこのネタでいこうっ!」
と言う訳で、今回このコーナーにご協力いただくのは、大阪市にお住いのOさんです。

Oさんは、ファーストオーダーのお受験スーツからのお付き合いで、その後も入学式用のとってもドレッシーなアンサンブルスーツをご注文頂いたりと、何かとご贔屓にしていただいているお客さまです。
そういえば、以前にもコチラでご登場いただいたことがありましたね、、、Oさん本当に毎回お世話になりっぱなしで恐縮です。。。^_^;


さてさて、そんなOさんの今回のオーダーはどんな内容でしょうか?
まずはご相談メールからご覧下さい。



 ■ 06.07.23 件名:☆ご無沙汰しております・Oです☆ ■

オーダースーツのヨシムラ 藤本さま
大変ご無沙汰いたしております。Oです☆

セールの案内など送って頂いておりましたのに、ご連絡もせずに失礼致しました。
( 中略 )
今すぐにではなくても良いのですが、ブラックのフォーマルまではいかなくても良いのですが、水色の、ワンピーススーツの様な感じのかたちで、黒のものを作って頂きたいな〜と思っているのですが。
出来ればオールシーズン(真夏以外)着用できるものなんていう都合の良い生地はありませんよね。。。
夏休み中に一度うかがえたらな〜〜と思っております。

どうぞよろしくお願い致します☆


 ☆★☆ レディース担当藤本より一言・・・ ☆★☆
 Oさんがおっしゃる水色のワンピースというのが↑で掲載している物なのですが、「これと同じ雰囲気で」という文面から察するに、恐らくお祝い事用のちょっとドレッシーなブラックをご希望されているんだと思います。
デザインは特に問題ないとして、う〜ん、、、問題は生地の方ですね。
いわゆるまったくのブラックフォーマル素材ならそれこそオールシーズン向けや3シーズン向けのも取り扱っているのですが、それだと華やかさという面では少々物足りないですし、、、。
ひとまず候補として、次の秋冬で取り扱う予定のラメ入りのブラックをお勧めしてみようかな。。。

。。。それから約2週間程が経過し、店頭にも徐々に秋冬物が並び始めた8月のお盆前ぐらいに、Oさんが生地選びにお越しになりました。

そして、Oさんが実際にどんな生地をお選びになられたかというと、、、
私の推測通りまるっきりのブラックフォーマルではなく、結婚式などに参列される際のドレッシーなブラックをお探しでしたので、ブラックフォーマル素材はまったくもって見当違いでした。
また、私が候補としてご用意していたラメの素材もイメージとは少々かけ離れるため、残念ながら落選・・・。(う〜ん残念!)

と言う訳で、Oさんが最終的に選ばれた生地は、前回お作りされた水色のアンサンブルスーツと同じく、バックサテンシャンタンブラックでした。
光沢系の素材はフォーマルなシーンではもはや王道ですので、華やかさという点では申し分なしですが、サテンでも裏面使いなので通常のサテンのようなテカテカ感がなくとても上品に仕上がります。
その上あまり季節感がなくシーズンレスで使える素材なので、Oさんの選択は間違いなしと言えそうですね。



 □ 今回使用するバックサテンシャンタンって? □

 バックサテンシャンタンはその名の通り、表面がシルクっぽい光沢のシャンタンで、裏面がメタリックな光沢感のサテンになっています。
サテンは皆さんもご存じの通り、強い光沢感と滑らな手触りが特徴のテロンとした素材。
一方、シャンタンはと言うとシルクが一番有名で、横方向の節が不規則に現れた光沢感がやや控えめでそこそこのハリ感を持つ素材です。
(ちなみに、もともとは中国山東(シャントン)省でこのような手織の高級シルク織物が有名でそこに由来して、山東→シャンタンと呼ばれるようになりました。)

この2つがMixされ、ハリ感と滑らかさ(=ドレープ性)の両方を持ち合わせた織物に仕上がっているのですが、立体感やフレアーの膨らみも出やすい分フォーマル系のドレスなどにとても向いているんです。

下記の画像の左側が表面(シャンタン)、右側が裏面(サテン)となり、通常はシャンタンが表にくるように使いますが、お好みやデザインによって裏表を逆にして使うことも可能なリバーシブル素材でもあります。
部分的に表裏を使い分けてアクセント付けしたりと、同じ生地で違う表情が楽しめるなんてとても素敵ですね。

(表面)シャンタン
(裏面)サテン

    それと、↑で記述の通り、元々シャンタンはシルクの織物のことだけを指していたのですが、時代の流れと共に最近ではポリエステルなどの合繊の物が多くなってきました。
確かにシルクも高級感があって素敵なのですが、取り扱いが簡単でしかもカラー豊富な分、ポリエステルの方が最近ではポピュラーとなりつつあります。
写真はポリエステル製のバックサテンシャンタンの別注サンプルを撮したものですが、こんなにもカラーが豊富だと絶対に気に入ったカラーが見つかるはずですね。


そして、生地が無事決まったところで次はデザインの打ち合わせです。
「デザインは前回の水色のスーツと同じような雰囲気とおっしゃっていたし、生地が決まれば後はもう安心。。。」
なんてちょっと油断していたところ、少々予想外の展開に、、、
『 今回のワンピースの雰囲気なんですけど・・・ 』とOさんがおもむろに袋から取り出した本を見てみると、そこには裾にボリュームを持たせたワンピースが載っていました。
裾にボリュームと言ってもフレアーのようなふわ〜っとした雰囲気ではなく、ウエストの切り替え部分に大きめのプリーツをあしらっているので、ボリューム感のあるぼわ〜んとふっくらした雰囲気でした。


、、、文字では上手く表現できないので、とにかくこちらのイラストをご覧下さい。
このように、ウエスト〜裾にかけて大きく膨らんだボリュームワンピースだったのですが、皆さんご覧になっていかがでしょうか?
う〜ん。。。ここまでくるとワンピースではなくドレスのような気がしないでもないですが、、、。
さすがにこれはちょっときびしいかな。。。


Oさんには「これとほとんど変わりのないように仕上げるのは正直難しいのですが、出来るだけこの雰囲気に近づけるようにします」という事情を説明したところ、「それでOKです」とご了承いただけましたので、とりあえずやれるだけのことはやってみようとお受けさせて頂きました。

。。。このように今回は少々難しい内容のお仕立てになりそうですが、詳細は以下のように決まりました。



 ■ デザイン ■

<ジャケット>
シングルテーラード1つボタン
>>>ボリュームワンピースとのバランスを考え、着丈は50cmとかなりのショート丈です。

衿・・・クローバー衿
>>>丸みのあるクローバー衿はクラシカル&エレガントです。

腰ポケット・・・両玉(フタなし)
袖口・・・スリット折り返し付き
>>>袖を折り返した状態でも裏地が表から見えないように、袖の表部分の見返し(ヘム)を深くとった使用です。
もちろん袖を折り返して着てもOKですし、折り返さずにそのまま長袖できてもOKなのでとても実用的でその上とってもスタイリッシュです。

裏地・・・総裏でキュプラのストライプ柄(黒地にブルーとグリーン系のストライプ)
ボタン・・・くるみボタン


<ワンピース>
スクエアーネック
ノースリーブ
ウエスト切り替え&プリーツ入りのボリュームワンピース
>>>このイラストを元に、工場で型紙をおこしてもらうことになりました。


 これでご注文内容が全て決まりましたが、さてさて本格的なボリュームワンピースがお仕立できるでしょうか?
ちゃんとイメージ通りに仕上がるか少々心配ですが、とにかく出来上がりがとても楽しみです!
それでは皆さんも出来上がりを楽しみに〜!!


☆★☆ お・ま・けの話・・・ ☆★☆
 今シーズンはマスキュリンテイストがトレンドの軸ですが、モードよりのファッションでは、バルーンシルエットのスカート(ワンピース)や、袖や身頃の広がったAラインジャケット等の丸みのあるシルエットが注目されています。
中でも特に目に付くのが、重量感を乗せたクラシカルなボリュームスタイルで、ジャケットやスカートにギャザーやタックをたっぷり使用したふっくらシルエットのアイテムです。
今回のOさんのワンピースもまさにボリュームワンピースですが、ボリュームスタイルと言えば80年代がもっとも代表的でしたね。
と言う訳で、なぜ今シーズンは80'Sスタイルが注目されているのかはこれで納得です。

ボディコンシャスが流行ったかと思えばボリュームスタイルが流行ったり、ロングが流行ったかと思えばショートが流行ったり。。。トレンドの移り変わりってホント不思議なものですね。


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