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 3月の「お客様いらっしゃ〜い」メンズ仕立てのご希望です!

レディースのサイトが立ち上がって かれこれ9ヶ月が経ちました。
お陰様でお客さまからも様々な内容のオーダーを受けるようになり本当に有り難うございます。 (^_^)v
でも、この9ヶ月でも色々と壁にぶつかってしまうことが結構ありました。
中でも一番ありがちで一番困ってしまったのは、読者の皆さん(お客さま)がメンズのサイトもご覧になっていて、
メンズサイトで紹介している●●●にしたいんですけど〜
といわれご相談頂くのですが、これが
これはちょっとレディースでは出来ないんですゴメンナサイ...
となってしまうことです。

 どうして? というとレディースを対応している工場の仕様の関係なのですが、縫製工場によってそれぞれ得意とする分野が違ってくるということや、ディテールの中には縫製工場独自で所有するデザインというのがあり、それを上手く取り混ぜるというのが、現実にはかなり困難だからなんです。
簡単に言うと、レディースでは、シルエット重視で工場に縫製依頼をするのですが、その代わりその工場では、メンズのようなお台場&D管止めの指定ができないとか、
その反対で、お台場を指定する場合はプリンセスライン付きのような女性らしいシルエットのデザインができなかったりで、結局どちらかを優先させなきゃいけないということなのです。 (>_<)
(参考URL:メンズサイトオプション各種ご紹介

 そうなると、大抵のお客さまは『せっかく作るのだったら女性らしいデザインで〜』とお台場付きを断念することになっちゃうんですね〜。
だから担当する私自身も
『やっぱり、レディースではメンズのようなカッチリ要素は無理なの〜?
なんて思いながら今までやってきたのですが、今回ご登場のお客さまTさんは、今までの「レディースはこう!」というある種の固定観念を打ち破るような強烈なインパクトのあるオーダー内容でした。

それは? >>> ダブルのパンツスーツ&ベスト付き
・・・メンズでは復調の兆しがあり注目されていますが、レディースでは最近見なかったスタイルです。
しかも、ディテールも含め、なんと!仕立て全てがメンズ仕様だったのです!!!
皆さん、これって想像できますか?
『もしかして、女性が着るには変にカッチリしすぎちゃってバランスが悪くなっちゃうんじゃない?』
なんてちょっと心配になっちゃうのでは?
もちろん、最も女性らしさを強調させるウエストライン等のシルエットは、サイズ的な面で色々と調整させていただきますので、その辺りは心配ご無用です。

それでは冒頭でのTさんのオーダー内容のご紹介はこれぐらいにして、ここからはTさんが無事オーダーを完了するまでの私とのやりとりをご紹介しますね。
(メールの量があまりにも?たくさんありすぎる為、その中でもオーダーの内容に関連する部分のみを抜粋しま〜す。)


02.02.18
件名:サンプル届きました
藤本さん
本日、サンプル拝見しました。
(中略)
一つ要望で、共布のベストも欲しいのです。
それと、春夏用のベストスーツ(グレイ)を持ってるのですが、あいにくジャケットがないため、仕事などでは着られません。
そのスーツとも着まわしがきいて、かつ別の色といったらやっぱり紺色がいいでしょうか?
手持ちのスーツの色・素材は5043−2に似ています(もう少し薄くて色も白っぽい)
で、サンプルですが、紺なら頂いた中では5180−4か5000−3がおもしろいかなぁと。
出来れば紳士物の生地も見てみたいです。

それと、スタイルとしては、やっぱり伝統的英国風が好きです。
02.02.19
件名:質問その2
藤本さん
 こちらは朝から雪でしたー。まったく、日本のチベットです(苦笑)(注釈:Tさんは鳥取県にお住まいです。)
>一度紳士物のサンプルもお送りいたしますので
ありがとうございます。
それまでに今回お送りいただいたサンプルはお返ししましょうか?
それと、今考えているスーツのデザインで、雑誌に載っていた良い形があったのでその切り抜きも同封しましょうか?
ベストも今自分が持っているものがお気に入りなので送ってよければ一緒に送ります。
基本的には、男性用のスーツのほうが自分の好みです。
貴社のHPに載っていましたが,ブリティッシュトラッド風を希望しています
ただ、体型的には小柄な方なので、似合うかどうかは疑わしいです(笑)
その辺も含めて、アドバイスいただけるとうれしいです。
また、夏にも着られるようにしたいと思います。
02.02.20
件名:サンプル返送しました
藤本さん
今日は久方ぶりにこちらも良い天気です!
本日サンプル返送させていただきました。
同封物として以下のものを入れてあります。

1.手持ちのベスト
2.雑誌の切り抜き
3.お気に入りのスーツで写っている写真3枚
4.現在のところまでで考えているスタイルについて(3枚)
明日か明後日には着くと思いますのでよろしくお願いいたします。

それと、色々考えたのですが、是非一度貴社に伺い直接に藤本さんとお話してみたいと思います。
3月21日には倉吉から実家の浜松に向います。途中下車して寄りたいと思うのですが、あいにく祝日なんですよねぇ?
で、第二案として、金曜日(22日)に浜松から大阪に行こうかと。
ご都合はいかがでしょうか?時間などはまた相談させて頂くとして、とりあえず日にちだけ。
よろしくお願いいたします。 From T


☆★☆ 自称カリスマ店員(?)藤本より一言・・・
遠地にお住いのお客さまの場合、お仕事のついでにとか何かのついでがない限りはそう滅多にお会いできる機会がないですよね。
普通の方は、
●提携店での採寸→●デザインの決定などはメールで・・・ということが多いのですが、
Tさんはご実家に帰省されるついでに途中下車して大阪店にご来店されるとのことでした。
わざわざお越し頂き恐縮なんですが、正直とっても嬉しく、その日が来るのが楽しみで楽しみでしょうがなかったです!
そしてこの日の午後にはTさんからのサンプル返却と一緒に、Tさんお気に入りのグレーのベストと、お好みのイメージのスーツの切り抜き・写真、現時点でのスーツの仕様書が送られてきました。
Tさんが好まれるスーツのスタイルは、切り抜きや写真などでだいたいのイメージを掴むことができましたし、それ以外にも仕様書にはディテール等がとっても詳しく書いてあったので、すごく分かりやすかったです。

またご来店までに間がありましたのでメンズのサンプル帳も送ってみたりするとデザインは変わりないのですが今度は候補の生地の方でちょっと方向が変わってきたりして・・・

02.03.01
件名:1つの新しい考え
藤本さん
だんだん春らしくなってきましたね。こちら、日本のチベット鳥取県も少しずつ暖かくなっています。
でも,3日は雪マークついてたけど・・・。

さて、メンズのサンプル帳受け取りました。
やっぱり、レディースではなくてメンズのG9150が一番いいです!
肌触りも最高!これって、濃紺ですよね、ね?
それで、実は一つ考えを改めようかと。
といいますのは、こちらの生地以外に送りましたベストに合う生地で、もう一枚ジャケットを作ろうかと。
で、そちらはブリティッシュ風に、襟の切り替えとシングル3ボタンetcにして。
今回見せていただいたG9150では、ダブルのスーツにしようかなぁって思っちゃったんですけど、どうでしょう?
こちらはボタンをメタルにしてみようかな〜。

サンプル帳を見て、グレイのベストスーツに合う生地を自分でも考えておきます。
が、もし藤本さんお勧めの生地があれば,今度見せてください。
今、この考えにはまっていてもう抜けられなくなりました(苦笑)
サンプル帳ありがとうございました。  From T

02.03.04
件名:9150で決まりです!
生地はG9150で決まりです!で、実は先日のメールにも書いたように、この生地ではダブルのスーツを作ろうと思います。
襟は切り替えなし、6ボタン2つがけ、本切羽・お台場仕立て・襟付きベストつきのパンツスーツにしようと思います。

もう一枚、ベストに合う生地で作るジャケットは、襟切り替えあり、プリンセスラインありのシングルテーラードでお願いします。
襟の切り替えは、できればベストの後ろ身ごろと同じ生地がいいなぁなどと、わがままこいてます。もしどうしても似た生地がなければ、今回のサンプル帳に有ったグレンチェックの生地で作ってもおしゃれかなぁ〜と。

どちらも詳細は、今度伺った時に詰めたいと思います。


☆★☆ 自称カリスマ店員(?)藤本より一言・・・
どうやらTさん、お生地の方はG9150で決まりのようですね。
さすが一目惚れ!なだけあって、スーツのイメージもどんどん膨らみつつあるようです。
G9150とはイタリアの名門ロロピアーナ社の生地で、紺地のピンストライプのとってもお洒落な生地で素材そのものにも申し分のないお生地です。(メンズでも大人気です。)

それとは別の、もう1着のジャケットの方も襟元には別生地使用と、ここでもなかなかのこだわりぶりが見られそうですね!
「目指せブリティッシュなジャケット!」ということで、私もがんばって生地を探そ〜っと

それ以降Tさんからいただいたメールでのスーツの案はというと
<<ダブルのベスト付きパンツスーツ >>
・ダブルのスーツの身ごろの打ち合わせを逆に
・袖口は重ね釦で本切羽

これは、元々メンズのようなデザインのお洋服がお好みだということもありますが、それ以外にも上衣に内ポケットを付ける場合、メンズの打ち合いなら無理なく右手で出し入れができるけど、それがレディースの打ち合いなら手が入りにくく使い勝手が悪いという理由からなんだそうです。
こんなところにまでこだわりがあるなんて、ホントすごいですよね!?
ここでいう使い勝手の面ではパンツのフロントファスナーのケースででも言えることなのですが、レディースのように右側の見頃が上にくる場合、右手を使うのは、なんとなく不自然というか、やりにくいですものね。
言われてみればホントその通りなのですが、私自身そんなに深くは考えたこともなく、また今までにもそういったところまでに気を配られたお客さまもほとんどいませんでしたので、つくづく感心です。
<<ジャケット >>

・こちらにも内ポケットを付けて下さい。
・袖口は本切羽で、釦ホールの糸色も変更
・ハッキングポケットで、フラップ部分を襟生地と同様別生地に

次から次へと練り出される案に、多少のプレッシャーを感じつつも、こだわり項目満載のスーツの出来上がりがとても楽しみになってきました。
とはいっても、肝心のご来店&採寸が先なんですけどね。

そして、待ちに待ったご来店の日。
Tさんはピッタリ時間通りにお母様と共にやってこられました。
こんにちは、と元気一杯の笑顔で『これ、みんなで食べてください!』とご実家浜松名物のうなぎパイをお土産に頂戴しちゃいました。
Tさんとはメールではしょっちゅう会話しているのですが、実際にお会いするとちょっと照れくさいというか、緊張でもあります。
でも、Tさんは実際にお会いしてみてもとっても気さくな方で、すぐにいつものメールでの会話のテンポでお話しすることができました。
また、ちょうどこの日はメンズのお客さまのご来店が集中してしまって、店内はごった返しの中での、採寸、デザインの打ち合わせとなりました。
Tさん、実物の生地を見るなり、『やっぱり実物の方が素敵だわ!!』と、とてもご満悦のご様子。
もう一つのブリティッシュジャケットの生地も、結局こちらもメンズのG9163グレンチェックに決まりました。
Tさんがお気に入りのスーツとパンツを持参してくれたお陰でTさんがお好みとされるパンツのシルエットやジャケットの丈の長さなども、伝わりやすく採寸も割とすんなりと進むことができました。
そして、いよいよデザインの打ち合わせ。
Tさんは希望のスタイルやディテールを、とってもわかりやすくイラストに描いて持ってきてくれました。
今までに受けたメールを簡単にまとめた資料と、Tさんからお預かりしたスーツの仕様書にベスト、写真、切り抜き、そして今回新たにお持ち頂いたイラストを机一杯に広げての念入りな打ち合わせの始まりです。
スーツ上下にベスト、ジャケットとそれぞれに、細かな仕様があり、正直私の頭の中も混乱しつつ、一つ一つ念には念をいれて確認していきました。


そしてあっという間に2時間という時間が経過し、無事Tさんのこだわりスーツのオーダーの完了です。
ずっとお待ちいただいていたTさんのお母さまにはホント悪いことしちゃいましたが、なんせ無事採寸&デザインの打ち合わせも済み、Tさんとの念願の対面まで果たせて、ホント良かったです!
ちなみに、今回のTさんのこだわり内容を、簡単にご紹介すると

メンズ仕立てのパンツスーツ
・ダブルテーラード6ツ釦2ツ掛け
・ピーク襟 ・角台場 ・サイドベンツ
・腰ポケットハッキング、チェンジポケット付き
・胸ポケット、内ポケット付き
・本切羽で重ね3ツ釦
・キュプラ裏地(エンジ)総裏

<< ベスト >>
・襟付き3ツ釦(普通メンズのベストで3ツ釦はないんです。ここが女性ならではですよね)
・尾錠付き

<<パンツ>>
・パンツ2タック
・ピスポケット両玉
と、基本のデザインがだいたいこのような感じで、その他こだわりの部分では
・D管止めはキュプラと同じエンジ
・袖部分の釦ホールの糸色を全てエンジに
・釦は前部分をメタル釦、袖部分を水牛釦
・ネームは花文字
・ベストの背中部分も表地を使用
(これも女性ならではですよね、ちなみにメンズの場合は裏地を使用するのが一般的です。)

ブリティッシュジャケット
・シングル4ツ釦 ・ノッチ襟 ・センターベンツ 
・腰ポケットハッキング
・フロントカット(角)・本切羽3ツ釦
・キュプラ裏地(シルバーグレー)

と、まあだいたいこのような感じのデザインなのですが、このジャケットの最大のポイントはなんといっても、上襟部分別生地(シルク100%)にしているところです。
それに合わせて、ポケットのフラップ部分も同じく別生地を使用して、全ての釦ホールの糸色を黒一色で統一です。
まさにブリティッシュにはもってこいのデザインですね!?

さてさて、こだわり派のTさんの出来上がりはいかに?
私もとっても楽しみですが、皆さんもきっと興味アリアリなのでは!?
次回の「ありがとう〜」を楽しみにお待ち下さい!

PS:Tさんからのご注文受けたのは3月の下旬ですので、この原稿が書き上がった時にはスーツはもうすでに出来上がっていて、Tさんの元へお届けしているのですが・・・。
更新作業が大変遅くなり、すいませんでしたm(_ _)m
大至急「ありがとう!」の原稿に取りかかります!!!
東京へ出張行ってる場合じゃなかったですね。!!


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