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 レディース担当のSUMMERスーツは?

鮮やかな新緑の時期を迎え、日毎に夏の日射しとなってきた今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
さすがに5月も中旬になると、日中は初夏を通り越して真夏並の気温になる日が結構多くなってきましたね。
でも、この時期の日射しはとても爽やかで、梅雨時のあのジメジメとした蒸し暑さと比べればまだまだかわいいものです。

さてさて、暖かいから暑いに移りゆくこの時期ですが、私達のように毎日スーツを着ている人にとっては正直頭のイタイ季節の到来。。。
暑い夏場でもスーツを着なければならないという悩ましい季節を迎えることになりますが皆さん、夏服のご用意はもうお済みでしょうか?

かく言う私も、つい先日まで着ていた合い物のスーツが急に暑苦しく感じるようになり、慌てて夏用のスーツを3着ほど仕立てましたが、それがようやく先日出来上がってきましたので早速ご紹介したいと思います。
それぞれでスタイルを変えたり、ほんの少しポイントを置きながら仕立ててみましたので、是非皆さんご覧下さいね

1着目
・・・まず最初の1着目ですが、私のワークスタイルの定番姿とも言えるテーラードのパンツスーツを仕立てました。
仕事中はパンツスタイルの方が何かと活動的ですし、採寸の時などはしゃがんだりすることも多い私達にとってはパンツスーツは絶対に必需品なのです。
『でも、いつも同じようなスタイルばっかりじゃつまんないし、今回はいつもとちょっと変えてみようかな。。。』

使用した生地は・・・?
カッチリした雰囲気が好きな私は、パンツスーツを作る場合はいつもはメンズの生地を使用するのですが、今回はレディースの生地の中からストレッチ素材のブラックに白のピンストライプ(3004-4)を選びました。
こちらの生地はレディースSpecial Selectionでも私のおすすめとしてご紹介していますが、シャープな雰囲気がいかにも仕立て映えしそうな、マニッシュなパンツスーツに最適な生地です。
もちろん、ストライプの生地ならメンズでも沢山ありますが、今回この生地を選んだ一番の理由は、 ポリエステル素材でシワになりにくく、しかも型くずれしにくいというところにあります。

ポリエステルと言えば合成繊維の代表格で、耐久性やイージーケアーという性質から女性用の衣料にはよく用いられますが、ウールに比べて温かみやソフトな風合に欠け、また通気性の面でも優れていないなどというマイナスイメージを抱く方も多いようです。

ただ、ここ数年は合成繊維も各企業による新開発によってめまぐるしいほどの進化を遂げてきていますので、まるでウールのような、柔らかな風合いや吸湿性に優れた素材がぞくぞくと商品化されているんです。
そんな中、今シーズン私が最もおすすめしたいのが、薄手で軽くサラッとした肌触りのこちらの商品というわけなんです。

デザインは・・・?
基本デザインは、3ツボタンのシングルテーラードです。
ここ数年はレディースでもカッチリとしたこの3ボタンが人気ですが、私もやっぱりこのスタイルが一番しっくりくる感じがして大好きです。
いつものように衿巾を少し細めにして、ウエストのラインはほんの少しタイト目に絞って、パンツは少し細身のブーツカットで....というのが私の定番のスタイルですが、今回はスーツの顔でもある襟のデザインにポイントをおいてみました。

襟のデザインを●●●襟に?
いつもは襟幅を細くしたハイゴージのノッチ襟でシャープな雰囲気を表現していましたが、毎回テーラー襟っていうのも少々マンネリ気味。。。
他に何か良いデザインがないものかとアレコレ考えた結果、今回はセミピーク襟に初チャレンジしてみました。
レディースではあまり聞き慣れないセミピーク襟ですが、簡単に言えばピークドラペルと同様下襟の角度を上に持ち上げ、襟先が剣のように尖ったデザインですが、セミという名の通りピークドラペルよりも少し小振りで、下衿の尖りの少ないややおとなしめの形です。
ピークドラペルほど見た目は派手ではありませんが、レディースではあまり見慣れない衿型だけにとても新鮮ですし、注目度は結構高いと思います。
いつものテーラードスタイルに飽き飽きしている私にとって、そんなセミピークは狙い目でした。
また、いつもの襟の時と比べて今回は、襟のプレスをカチッと仕上げて、下襟のカットも直線的にするよう指示し、シャープ感を更に強調しました。
通常、レディースのパターンでは下襟のカーブは下の画像のように丸みを帯びたラインで、女性らしく曲線的に仕上げるのが主流ですが、今回のようなセミピーク襟には、メンズのスーツ同様下襟部分のカッティングは真っ直ぐ直線的にカットした方が格好良く決まるんですね。

その他ディテールでは、袖を4ボタンの本切羽にしたり(←女性は社内で洗い物などの雑用をすることが何かと多いですが、そういう時こそ腕まくりできる本切羽は超便利!)
裏地を夏らしく淡いピンク色にしてみました。
(↑あるお客様から聞いたのですが、今年風水では女性はピンクの物を身につけているとお肌やホルモンの活性化に効果的なんですって)

...と、最初の1着目はこのような仕上がりになりましたが、黒×白のピンストライプでとてシャープでお洒落な1着に仕上がったと、我ながら大満足です。
『でも、なんだかまるでコ●サのスーツのよう。。。とも思えてしまうのは私だけでしょうか!?(笑)


2着目
・・・寒い秋冬シーズンはウールが恋しくなりますが、爽やかな夏場にはやはりコットンやリネンの天然素材に心惹かれるものです。
と言うわけで、2着目はコットンで仕立てることにしましたが、コットン素材特有のカジュアルな雰囲気は一切出さず、女性らしいデザインにとことんこだわってみました。

使用した生地は・・・?
コットン系となるとレディースの方が当然種類も豊富です。
数あるコットンの中からストレッチツイル(3100-3)を選びました。
なぜこの生地を選んだかというと、それはこの生地の持つ表面感
無地は無地でもこちらのコットンは溢れるほどの光沢感と、はっきり映った綾織の畝の雰囲気がとても上品で、しかも高級感たっぷりなんです。

それと肝心の色目ですがコットンと言えばベージュやオフホワイトなどの明るめの色に人気が集まるものですが、私はあえてシックなブラックで仕立てることに。
なぜかって?
それは、ブラックの方が生地の光沢感や綾の雰囲気がとっても際立つからなんです。
画像は屋外で撮影した物ですが、太陽の光の下で艶やかな光沢感がとてもキレイに映ってキレイですね〜。やっぱりブラックにして正解でした。

デザインは・・・?
基本デザインはシングルのラウンドネックのスカートスーツです。
しかもフロントのデザインは、比翼仕立てとなかなかスタイリッシュな雰囲気です。
ステンカラーの衿元って、ボタンを全部止めればカッチリとして清楚な印象、第1ボタンを止めず後ろ襟を軽〜く立ち上げれば、都会的でクールな印象、というように両方のイメージが楽しめてお得ですね〜。
しかもテーラードのように中に着るインナーもいちいち気にせず着れるというところもさらにお得でです。
これなら暑い夏場も、インナーは薄手のキャミソール1枚で快適に過ごせますね。
ただ、今回使用したコットンツイルは盛夏用としては少々肉が厚すぎますので、以下の点にポイントをおいて仕立てました。

裏地はほとんど使用せずに・・・
夏場のコットンスーツには、裏地をほとんど使用しない夏仕立てがおすすめです。
メンズのアンコン仕立てとは違って、レディースの場合は裏地は身頃部分には一切使用せず、唯一肩パットだけを裏地でくるんだ、正真正銘の一重仕立てです。
長袖の場合は、袖裏の有りor無しが指定できます。)
これなら表地がそこそこ肉厚の生地でも、中はとても涼しくてなおかつ軽いですので、真夏でも快適に過ごせますね。
袖を7分袖に・・・
こちらも少しでも清涼感がUPするよう、袖を長袖ではなく7分袖にしました。
実際これだけでもかなり着心地が違ってくるのですが、袖丈を少し短くしたり、袖部分に裏地がなかったりするだけで、こんなにも涼しく快適に感じるんですね。
暑い夏場にも長袖を着続けないといけない男性陣にはちょっと悪い気もしますが、7分袖や半袖のスーツが着れるのはまさにレディースならではですので、皆さんも是非一度試してみて下さい。

ついでにポケットもスッキリと・・・
これは着心地というよりもむしろ見た目の問題ですが、女性らしいラウンドネックスタイルでしかもフロントをスッキリとさせた比翼仕立ての場合、腰ポケットはあまり目立たたせず全体的にスッキリとみせたいものです。
本当なら腰ポケットはなしでも良いぐらいですが、仕事上いつもペンやメジャーを持ち歩かないといけない私にとって、ポケットは絶対に必要です。

そこで、今回はシームポケットを付けることにしましたが、シームポケットは脇線やダーツなどを利用した見た目にはあまり目立たないポケットですので、全体的にスッキリとした印象になりますし、しかもシルエットを崩すこともありません。

....とまぁ2着目はいつにもなく女性らしさを意識したスタイルで仕立ててみましたが、女性らしさの中に適度なクール感もあり、オフィスでの着用もアフターのお出かけにもどちらにもピッタリな、使い回しの利く1着となりました。

3着目
使用する生地の素材感から、こちらも2着目と同様女性らしくエレガントというのをテーマにおいてみました。
が、さすがに3着目ともなるとデザインに変化を付けるのに頭を悩ませますね〜。
さてさて、3着目はどんなデザインにしようかな〜?

使用した生地は・・・?
3着目もコットン素材を使用しましたが、2着目のような無地ではなくピンドットストライプのモノトーン系(3090-3)で仕立てました。
表面感のある刺し子風のピンドットストライプで、ストライプ本来のシャープな雰囲気というよりもむしろエレガントな雰囲気のする生地ですが、こちらもいかにも仕立て映えしそうな予感ですね。

デザインは・・・?
素材の雰囲気から、ボトムは台形風のセミタイトスカートにすぐさま決定しましたが、ジャケットのデザインを決めるのには正直かなり悩みました。
そして、最終的には女性らしくウエストラインをかなりギュッと絞った1ボタンのテーラードに決めました。
実は、私は1ボタンで仕立てるのは今回が初めてなのですが、1ボタンはVゾーンの開きが広すぎて どうしても好きになれずにいたのです。
でも、今回のようにハリ感のあるコットン素材では、広めのVゾーンもピシッとキレイに決まりますし、私達女性陣が大好きなスレンダーシルエットとの相性もバッチリです。
今まではあまり好きになれなかった1ボタンですが、エレガントな中にクールな印象もプラスされてなかなか素敵ですね。
そして、このスーツにもこのようなポイントをおいてみました。

前ボタン&ステッチ
上記の通り前ボタンの数は1ツですが、今回はボタンの大きさがポイントです。
通常、コートの時に使用する水牛ボタン(黒)の大ボタンを使用したのですが、大きめのボタンは何気にクラシカルな雰囲気がして、程良いアクセントになりました。

次にステッチですが、通常ステッチを入れる部分は襟・前身頃・ポケット周りですが、今回は贅沢にも前後のプリンセスライン沿いにもステッチを入れてみました。
これは女性の既製品などで結構見かける仕様で、お客様からも時々リクエストをいただくのですが、こういうシックなデザインの場合は程良いアクセントになってgoodです。

....3着目の仕上がりはこんな感じですが、こちらは『 洗練されたモダンなスーツスタイル.... 』といったところでしょうか?

☆★☆レディース担当藤本より一言・・・☆★☆

こんな感じで夏用のスーツを仕立ててみましたが、皆さんご参考になりましたでしょうか?
暑い夏場にいかに快適にスーツを着こなすか、それは素材の選び方やデザインの工夫次第で大きく違ってきますので、特に暑がりな体質の方や外回りの仕事をされている方は、是非上記のいずれかを取り入れてみてください。

でも、こうして見ると、デザインはそれぞれ変えてはみたものの、3着ともブラックやモノトーンのダーク系になってしまいましたね。。。生地選びはどうしても私自身の好みがモロに出てしまうもので....(^_^;)
でも、とりあえずこれでカッチリ系とエレガント系のスーツの両方が揃ったわけですから、これからの梅雨や真夏がやってきたってもう怖いものなしです。

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